ヨルダン ヒジャーズ鉄道 休日シリア行き
  ヨルダンのヒジャーズ鉄道では、2008年4月までは首都アンマンからシリアの首都ダマスカスまでの国際列車が、週1往復運転されていたが、これが廃止されてからは年に一度の蒸気機関車撮影ツアーのチャーター列車以外は、シリア国境を越えて走る列車が運転されることはなかった。
ところが2010年5月28日、独立記念日特別列車としてアンマン近郊のザルカ駅からシリア国境を越えた最初の町ダラア駅まで、一般客を載せた列車が運転されることとなった。(ヨルダンの独立記念日は5月25日だが週末土曜日の28日に運転された) 
当日朝ザルカ駅に行ってみると、駅舎の前に机を出して、予約客と名簿の確認をしていて賑やかだった。
駅舎の横ではバグパイプの楽団が演奏をし、テレビ局らしいビデオカメラを持った取材者も来ていた。
     
 
     
客車は10輌の長い編成で、牽引するのは黄色のディーゼル機関車重連。先頭のデッキにヨルダン国旗を固定する作業をしていた。   ザルカの次のサムラ駅を出たところで待っていると、国旗をなびかせながらエンジンの唸りを上げて列車は通過して行った。この日は軽い砂嵐で見通しが悪かった。
 
     
独立記念日特別列車が好評だったため、翌週から毎週土曜日にシリア行きの列車が運転されることになった。朝8時にザルカ駅を出て11時頃にはシリア国境を越えてダラアの駅に到着。乗客一行は用意されたバスに乗ってレストランに移動して昼食をとり、観光ポイントを回ってから、夜ザルカに戻って来る日帰りパッケージになっていた。
ザルカ駅で家族連れの乗客が客車に乗り込んでいる。
  ザルカ駅を出た先に開けた場所があり、ここで待っていると客車10輌編成の列車が走って来た。先頭の機関車のデッキに固定されたヨルダン国旗がなびいていた。向かって右側にはシリア国旗が固定されていたが、閉じていた。国境を越える時にこちらを開くのだろう。
機関車と客車は前日夕刻にアンマン駅からザルカ駅まで回送されている。
 
     
ザルカを出た列車が次のマフラック駅に向かう途中、スグラ村の手前で雄大なオメガ形のカーブを通過する区間がある。   荒涼とした風景の中を、ディーゼル機関車が牽く列車が勾配区間を登って行った。
 
     
 
     
ザルカを出てから1時間余りでマフラックの駅に到着した。この駅を出ると次は国境を越えるため、乗客のパスポートを集めて確認作業をしていた。   撮影をしていると地元の子供達がすぐに集まって来た。機関車デッキの右側に閉じたシリア国旗が見える。
 
     
石造3連アーチ橋を渡る列車。近所の子供が列車を追って走っていた。   シリア国境はこの先、数kmの所にある。
 
     
スグラのカーブを往く列車。この日は編成が短く機関車は1輌だった。   マフラック駅で停車中。機関車の次の黒い貨車は警官が乗る業務用に使われている。
 
     
マフラック駅を出て街の中を往く。   マフラックの街を出るとまた乾燥した風景になる。
 
     
ラマダン前の最後の土曜日は乗客も多く機関車も重連となった。橋の石材の色はヨルダンでは白に近いが、シリアに近づくと黒くなる。   左のショットの後、踏切を通過した列車は数km先のシリア国境を目指し走って行った。
 
     
毎週土曜日に運転されていたダラア行き列車は、2010年8月7日の運転を最後にラマダン中は運休となった。その後ラマダンが明けてからも10月中旬まで運転されなかったが23日に再開された。但しその後も予約客が少ない日は運転されない。
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