北海道 日本セメント上磯工場
青函トンネルを抜けて北海道に渡った列車が、津軽海峡に沿って走る江差線に上磯駅があるが、ここに日本セメントの工場があり、かつて石灰石や粘土を鉱山から運搬し、また製品を載せた貨車を国鉄線に引き渡す専用鉄道があった。
1978年5月14日にこの工場を訪ねた。

この鉄道は浅野セメント時代の1922年に電化され、東洋電機・汽車会社製の2軸凸形電気機関車1〜3号が導入された。翌1923年には同形式の5号が加わった。 訪ねた日は3号機が工場内の入換作業に使われていた。
この鉄道の機関車は全て、やや赤みを帯びたクリーム色の車体に赤いナンバープレートを付けていて、工場の専用線としては特異な印象を受けた。
 
     
 
     
2号機は、1985年に生まれ故郷の東洋電機製造(株)横浜製作所に戻り、現在も保存されている。   3号機が小さなタンク車を移動する作業をしていた。
 
     
 
5号機も他の3輌と同じ設計で、ボンネットの上にあるベルが可愛らしい。   7号機は1948年日立製で2軸ボギー2組の凸形電気機関車。
 
     
7号機の向こう側でコンクリート製のタンクが建造されている。工場の設備が増設されていた。   8号機は1952年東洋電機・日本車輌製で、7号機と同じぐらいの大きさの機関車。
 
     
箱形の電気機関車9号機は、1959年東洋電機・東洋工機製で35t級。鉱山と工場を結ぶ本線で使用されていた。   9号機と同形式の10号機は1961年製で、やはり本線を走る列車を牽いていた。
 
     
構内の片隅に4輌の人員輸送用車輌が留置されていた。もう使われていないようだったが、それぞれ個性の強い形をしていた。車体に記された番号は手前が204、次が201。   奥の2輌は202と203。個性的な人車だが、残念ながらこの2枚の写真しか残っていない。現在は太平洋セメント上磯工場となっているが、この専用線は1989年に廃止されたという。
 
     
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