長野県 赤沢森林鉄道
中央本線上松駅から西へ約15km、木曽川の支流を上った所に赤沢自然休養林がある。遊歩道が整備され、森林浴ができる赤沢美林の中に、かつて小川森林鉄道赤沢支線の一部だった1.1km 区間が復元され、観光列車が運転されている。
牽引するディーゼル機関車も牽かれる客車も観光用に新造された車輌だが、沿線風景は森林鉄道時代の雰囲気を十分に堪能させてくれる。(2008年7月29日)
2008年は4月末から11月上旬まで休日を中心に運転されており、9時半から15時半までの30分毎に起点の乗場を出て往復運転している。
 
終点の丸山渡(まるやまど)停車場に近い呑曇渕(どんどんぶち)付近を行く列車  
 
     
 
休養林の中心にある広場から階段を上った所に森林鉄道乗り場があるが、その構内に森林鉄道記念館があり、木曽谷の森林鉄道を走っていた車輌が静態保存されている。その中に米国ボールドウィン社で1915年に製造された1号機関車がある。普段は庫の中に保管されているが、天気の良い日は外へ引き出されて展示されている。火の粉止付の大きな煙突は原形は玉ねぎ形だったが、後年改造されてこの形になった。   かつて木曽谷には王滝、小川、小木曽、阿寺、野尻、田立といくつかの森林鉄道が営業していたが、上松を基点とする王滝と小川の系統で主力として使われていたL型ディーゼル機関車が、酒井工作所製のC4型だった。1958年から63年にかけて7両が導入された。
客車は様々な形と用途のものが活躍していたが、そのひとつが庫の中に保管されている。
 
     
上松駅に隣接して森林鉄道から材木を積換える大きな貯木場があったが、そこから小川・王滝本線へ出て行く場所に架かっていた橋桁が今でも残っていた。この先で森林鉄道が木曽川本流を越えていたのが右の鬼渕鉄橋。   鬼渕鉄橋は1976年に鉄道が廃止された後、道路橋として使われていたが、新しい橋(左側)が開通した後、記念物として保存されている。説明板によれば、大正3年に完成したこの橋は、日本で現存する最古のトラス橋だという。
 
     
  小川線は1966年に廃止されたが、上松〜鬼渕間を共有していた王滝線はその後も営業を続けた。1973年10月11日にこの鉄道を訪ねたことがある。酒井工作所製C4型機関車が牽く短い編成の列車が、上松を出て鬼渕鉄橋を渡って来た。

翌朝8時40分に上松を発車する列車に乗って王滝本線を走った。一般観光客は1時間ほどで到着する田島駅で降りなければならなかったが、乗車していた営林署の人に頼みこむと、終点までの便乗を許してもらえた。長い運材列車が何本も停車している大鹿駅、三浦湖の水面に近い高さを左右に曲がりくねって続く線路など、12時前に本谷(ほんだに)に到着するまでの車窓風景を堪能した。
本谷から上松に戻る列車の先頭に立つC4型機関車。客車列車には「みやま号」という名前があって、機関車の正面下にプレートが付いていた(1973年10月12日)
列車は午後1時過ぎに発車し、4時半頃に上松に到着した。
当時ボールドウィン1号機は、上松構内の小さな庫の中に大切に保存されていた  
 
     
1971年8月2日に訪ねた時の上松停車場。営業時間を終えた夕方の風景。この時は乗車しなかった。   赤沢森林鉄道を走る客車から見上げた風景。清々しい緑に心身ともにリフレッシュされる(2008年7月29日)
 
     
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