ドイツ ヴァイセリッツタール鉄道(フライタール〜キップスドルフ)
ドイツ東部のドレスデン周辺には、軌間750mmのナローゲージ路線が何箇所かある。いずれもザクセン州営鉄道の頃に開業したもので、経営を変えながら現在も蒸気機関車が運転されている。
 ここで紹介するフライタールからキップスドルフまでの区間は、2002年8月の集中豪雨で沿線随所の路盤や橋梁が流失したため、営業運転を休止していたが、2008年12月に途中のディッポルスヴァルデまでが復旧した。
   
<ラーデボイル鉄道案内パンフレット/1998年をもとに加工>
 
     
 
     
この鉄道は延長23.6km、1883年9月に全線で営業を開始した。ドイツ国鉄本線と接続しているフライタール・ハインスベルグから、沿線中程のディッポルスヴァルデ駅までは、渓谷や人造湖に沿って走るが、そこから終点のクアオルト・キップスドルフまでは、少し開けた畑の中や村を抜けて勾配区間を登って行く。(クアオルトはドイツ語で温泉保養地)   初めてこの鉄道を訪ねたのは1991年4月、ベルリンの壁が崩され東西ドイツが合体してから、まだ1年足らずの頃だった。
キップスドルフに向けて走る7両編成の列車の最後尾には、食堂車が連結されていた。
機関車や客車の表示は、まだ東独時代のDR(Deutsche Reichsbahn) のままだった。
 
     
ディッポルスヴァルデ駅で発車を待つ列車
牽引機は先輪1軸、動輪5軸、従輪1軸の、ザクセン州ナローゲージ鉄道の標準形機関車。ラーデボイルやフィヒテルベルグ等の路線でも活躍している。
但し外観は似ているが、1928〜33年に製造されたグループと、1952〜56年の東独国鉄時代に製造されたグループがあり、設計が少し異なっている。
  キップスドルフ駅で折り返し列車の準備をする99 1746号
この機関車は1928年にシュヴァルツコップ社で製造された古いグループで、配置当初は99 746号だったが、1970年の番号整理で1746号となった。東西ドイツ合体後も暫くは東独国鉄時代の表記が続いたが、1992年にドイツ鉄道(DB)に統一され、更に番号が付け替えられた際に、新旧グループともに099型700番台となり、番号だけでは区別し難くなった。
 
     
沿線の撮影ポイントのひとつ、ダムによる人造湖の一部を横切る石橋。当時、平日には10往復の列車が蒸気機関車により運転されていた。   8歳だった長男と比べると、750mmというゲージの大きさがわかる。ナローとは言え結構太いレールを使っているので、余計に軌間が狭く見える。(ここまでの写真は1991年4月撮影)
 
     
1999年7月にこの鉄道を訪ねた時、渓谷沿いに走る区間のラーベナウ駅へ行ってみた。線路際の切立った崖を見上げると、高い所に柵が見えた。そこまで人が行けるはずだと信じて、裏側に回って登ってみると、この駅を見事に見下ろせる場所に出た。   行き交う列車の通過を、まるで模型を見下ろすような角度で見ることができた。
 
 
     
この1999年7月時点ではこの区間はドイツ鉄道(Deutsche Bahn)が運営しており、ザイフェルスドルフ駅で見たこの機関車の形式番号は099 741だった。この機関車は東独時代に製造された新しいグループだが、番号整理後のためオリジナルの番号はわからない。   ところが2000年6月にディッポルスヴァルデ駅で見たこの機関車は、99 1762という形式番号をつけていた。これは1933年にシュヴァルツコップ社で製造された古いグループであり、番号も東独時代の表記に戻されていた。その経緯はよくわからない。
 
     
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