インドネシア ジャワ島の静態保存機
インドネシアは3000以上の島で構成されているが、鉄道は首都ジャカルタのあるジャワ島全体とスマトラ島の一部で発達した。かつて多様な形式の蒸機が活躍していたが、現在では各地に展示される静態保存機で、その一部を見ることができる。   北海岸のチレボン駅前に保存されているB13形04号機。
右奥に見えている建物がチレボン駅。(2011年6月)
     
 
この機関車B13 04号機は、ドイツのハノーマーク社で1885年に製造されたもの。動輪2軸、先輪1軸の構造で、動輪の直径は1320mm。   インドネシア国内の鉄道のゲージは、砂糖キビ運搬用等の専用線を除けば日本の在来線と同じ1067mmで、蒸機の形式番号も日本と同じルールであるため親近感がある。
 
     
この蒸機はC14形12号機で、英国ベイヤー・ピーコック社1909年製(製造番号5180)。北海岸スマランにある鉄道管理局の前庭に鎮座していた。(2011年10月)。
インドネシアの蒸機の形式は日本と同じく動輪数に応じてB、C等から始まり、タンク式が10番台、テンダー式(炭水車を牽く)が50番台で、D51とかC11という形式が存在する。
 
 
     
こちらは内陸部のマディウン駅に近い踏切脇で見つけた保存機。C26形06号機はドイツのヘンシェル社で1921年に製造されたもの。日本のルールではこのカマならC266という表示になるが、こちらではC2606だった。(2011年10月)   日本では動輪数をアルファベットで表すルールになった後、動輪3軸のタンク式蒸機はC10、C11、C12の3形式しかなかったが、インドネシアにはC10からC33まで実に24形式も存在した。
 
     
首都ジャカルタから特急列車に乗って3時間半ほど行くと、高地で凌ぎやすい気候のバンドンに着く。オランダ統治時代に建設された線路は、急カーブと勾配の連続で、餘部鉄橋のような鉄骨トラスで組み上げた高い橋梁がいくつも現れ、車窓風景に飽きない場所だ。   バンドンの駅には、南側に昔からの出入口、北側に新しく造られた出入口があるが、南側の駅前広場に小さな蒸機が保存されていた。TC10形08号機は、600mmのナローゲージで、ドイツのハルトマン社が1920年に製造した動輪3軸の小型機関車。ターンテーブル上に展示されていた。
 
     
インドネシアの鉄道は、現在は政府保有の会社組織で運営されている。KERETA APIがインドネシア語で鉄道のことである。
この鉄道の本社は国鉄だった当時から、首都のジャカルタでなくバンドンにあった。その本社の正門前に、この小さな機関車が堂々と展示されていた。
これも600mmのナローゲージで使われていた形式のため、動輪数を表すDの前にTが付いてTD10形になっている。TD1002号機は、オランダのWerkspoor社で1926年に製造された。アウトサイドフレーム構造で、動輪が台枠の内側に隠れている。(2011年10月)
 
 
 
     
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