イギリス セヴァン・ヴァレイ鉄道 (ガーラの日)
ロンドンの北西約160kmのところにバーミンガムという街があり、その西方20km余りのところにキダーミンスターという街がある。ここにセヴァン・ヴァレイ鉄道の起点駅があり、英国鉄道本線から乗り換えることができる。
この保存鉄道は、1862年から1963年まで営業していた線路と駅舎などの施設を整備し直して、観光客向けに復活運転しているものだ。

1995年9月23日、現在ほどインターネットが普及していなかった頃で、前もって当日の運転時刻を調べることもなくロンドンから日帰りで訪ねた。夏の週末には乗客を乗せて日に10往復程度、蒸気機関車が運転されている保存鉄道だったが、この日は年に2度だけのスチーム・ガーラ(特別運転祭)の日だった。
 
<Severn Valley Railway パンフレット掲載地図を加工>
     
 
キダーミンスター ブードゥリィ   ブリッグノース
 
   
ガーラの日は1日全線乗り放題切符が発売されていた。

値段は三等車が13.6ポンド。

  1995年の年間運転予定表によると、スチーム・ガーラは4月8/9日と9月23/24日の2度。午前1時から2時間毎に運転が始まり、9時から午後5時までは1時間毎に運転、その後午後11時まで2時間毎に列車がキダーミンスターを発車する。
片道70分程度の行程で、途中のアーリー駅でほとんどすべての列車が交換した。更に昼間は毎時30分発でキダーミンスターからアーリーまでの区間往復列車が走っていたのだから、どの程度の「お祭り運転」だったか想像できるだろう。
     
線路際で待っていると、機関車が重連で列車を牽いてきた。46521号と46443号。いずれも先輪1軸、動輪3軸の中型機関車。   ともにロンドン・ミッドランド&スコティッシュ鉄道で1950年代から運転されていた比較的新しい機関車のコンビだった。
 
     
終点のブリッグ・ノースには機関区があり、機関車の整備もできる設備が整っている。当時この鉄道には蒸気機関車だけで28両が保存され、その一部が運転できるように整備されていた。   ガーラの日ということで、ブリッグノースのホームではプレートや部品が即売されていた。
 
     
ブードゥリィ駅で次から次に来る列車を待っていると、緑色の化け物のような機関車がカメラのファインダーに入ってきた。   流線形のボディと大きな動輪。蒸気機関車の世界最高速度記録を出した「マラード号」と同じA4型の「ユニオン・オブ・サウスアフリカ号」だった。
 
     
後続列車に乗ってキダー・ミンスターへ行くと、ホームで大きな車体をもて余している様子だった。ガーラでの運転に出張して来たのだった。   デビュー当時は足回りの流線形カバーがもう少し大きく、動輪の上半分近くが隠されていたという。動輪直径は2032mm。
 
     
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