マレーシア 北ボルネオ鉄道 コタキナバル
マレーシアという国は、首都のクアラルンプールをはじめほとんどの州が半島の方にあるが、サバ州とサラワク州だけはボルネオ島の北部にある。この島の他の地域はインドネシアに属している。
サバ州の州都コタキナバルは、標高4000mを超える神秘の山キナバル山を控え、国際空港と港のある地方都市である。

この街の西側にタンジュン・アルという駅があって、ここからサバ州を走るサバ鉄道(マレーシア語でKeretapi Negeri Sabah)が延びている。この駅から毎週水曜日と土曜日に、観光客を乗せて蒸気機関車が牽く「プランテーション急行」が運転されている。
 
     
サバ州政府観光促進局パンフレット   サバ州には海抜4,095mのキナバル山の他にも、珍しい動植物が生息する自然公園や、ダイビングスポット等があり、観光資源が豊富な場所だ。

サバ州政府が発行している観光案内パンフレットには、日本語版もあって、その1ページに蒸気機関車が牽く列車の案内も載っていた。
 
     
 
機関車はバルカン・ファンドリィ社が最後に製造した蒸気機関車という6-015号。先輪1軸、動輪3軸、従輪1軸の構造で1955年製。2002年6月にタンジュン・アル駅を訪ねた時は土曜日の午後で、「プランテーション急行」が戻って来たところだった。   この鉄道は1896年に開業し1960年代までは蒸気機関車が使われていたが、その後は日本製のディーゼル機関車に交替した。1999年に解体されずに残っていた機関車が整備され、2000年1月から観光客向けに週2日、タンジュン・アルからパパル駅まで2時間余りの区間で、特別列車の運転が始まった。
     
 
この列車用の客車は7両あり、6両の座席車は1970年代の日本製、1両は業務用客車を改造して食堂車にしたものという。上の写真は客車をホームから引き上げるために機関車が逆向きに連結されているが、終点のパパル駅には復活運転のために転車台が設置されたため、往復とも機関車は前向きで走行する。   「プランテーション急行」は北ボルネオ鉄道(North Borneo Railway)という別の会社が運行していて、終点での寺院観光と、帰路車内での昼食を含んだパッケージ料金で乗客を乗せている。姉妹機の6-014号と6-016号も予備機として運転できる状態に整備する予定だったらしいが、その後どうなっているだろうか。
     
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