ザクセン州南部のプレスニッツタール鉄道は、軌間750mmのナローゲージの保存鉄道で、マイヤー式等の蒸機5輌とディーゼル機関車3輌を保存し、週末を中心に運転している。
この鉄道を訪ねた2010年2月14日は、ウェブサイトで事前に入手したスケジュールでは4往復の列車が運転されることになっていたが、行ってみると午前10時から午後6時前までの間に7往復の列車が走るという特別運転をしていた。これは前の週とこの週の土日だけの特別企画だった。


この鉄道は1892年からヴォルケンシュタイン〜イェーシュタット間の22.8 kmを営業していたが、1986年に廃止となった。
 
    厳寒のシュタインバッハ駅で発車を待つ99 1590号機
     
 
<当鉄道ホームページの地図を加工> 
  その後1990年から復活運動が始まり1992年に途中のシュタインバッハからイェーシュタットまでの7.8 km区間が保存鉄道として蘇った。
終点のイェーシュタット駅に向かって上り勾配が連続する鉄道である。


イェーシュタットに向かう道路沿いで見たきれいな樹氷
     
シュタインバッハからイェーシュタットまで、列車の走行時間は40分弱であるが、7往復運転する日は中間にあるシュマルツグル―ベの駅で上下列車が交換するダイヤになっていた。線路を見下ろせる場所で待っていると、イェーシュタットから来た列車がシュマルツグル―ベ駅に向かって走って行った。牽引するのは動輪3軸の99 4511号機。   同じ場所で待っていると、シュマルツグルーベ駅で交換したイェーシュタット行き列車を、マイヤー式の99 1590号機が牽いて勾配を上って行った。
イェーシュタットから来る列車はこの地点のやや左手で一時停止し、汽笛を鳴らして駅構内接近を知らせた後、発車して駅に進入して行く。山村に汽笛が響き渡っていた。
 
     
シュマルツグル―ぺからイェーシュタット方向には、線路に沿って遊歩道が続いている。この道を少し歩くと森の中に入って行くが、逆行牽引の99 1590号機が勾配を下って来た。   99 1590号機が、駅に先着している列車と交わす合図の汽笛が響き渡り、駅で行き違いを済ませた列車が99 4511号機に牽かれて勾配区間を登って来た。
 
     
シュタインバッハの駅で水の補給を受ける。マイヤー式の足回りは、シリンダーが前後で逆方向に設置されている。    
 
     
この日は7往復運転だったため、シュタインバッハで20分ほど停車しただけで折り返し列車が発車して行った。   朝イェーシュタット駅で、この日の1番列車の先頭に立って発車を待つ99 4515号機。
 
     
シュマルツグルーベを出てイェーシュタットに向かう列車    
 
     
イェーシュタットの街は線路より高い場所にあり、道路から列車を見下ろすことが出来た。   保存車輛の保管のために、シュレッセル駅の近くに大きな車庫が造られているが、その庫外に動輪5軸のVII-K形式蒸機99-1781号機が展示保管されていた。
 
     
 
最前部の動輪を後ろから来るロッドで駆動する構造がマイヤー式の特徴。
この鉄道では3輌のマイヤー(ザクセン鉄道IV-K形式:99-1542、1568、1590)が保存されている他、3輌のディーゼル機関車が保存されているが、ディーゼル機の方はイェーシュタット駅構内での入換え作業等に使われていて、本線上の列車牽引には蒸機が使われていた。
 
     
イェーシュタットの庫の前でベルトコンベアーを使って給炭していた。  
 
     
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ドイツ プレスニッツタール鉄道