エジプト 鉄道博物館 カイロ
カイロの中央駅はラムセス駅。ここからエジプト各地へ向けて列車が発着している。その駅舎の横に、1933年に開館したという鉄道博物館がある。博物館の歴史は古いが館内の展示は雑然としていて、ミニチュアの車両、駅舎、橋梁などと、写真の展示がほとんどである。   この写真は1859年製の御召列車用機関車の模型。その頃のエジプトはオスマン帝国の属領だったが、太守(パシャ)と呼ばれる総督が実質的に統治していた。このパシャ用の特別列車を牽いていたという。この機関車の動輪は直径が6フィート6インチというから2m近い大きさだったのだ。
 
 
この博物館の展示物の中で、数少ない実物車両がこの御召機関車、というか、キャブ(運転室)の後ろに貴賓室が一体構造になっているから蒸気動車と言うべきか。この蒸気動車は、1862年に製造されたという以外ほとんど情報がない。   フランス人のレセップスにスエズ運河の建設権を認めたサイードというパシャの時代に造られたことになる。因みに日本の明治維新は1868年、スエズ運河の開通は1869年のことだった。
 
 
建物の外に実物の蒸気機関車が展示されている。動輪3軸構造のこの機関車は、1865年から1868年の間にイギリスのロバート・スチーブンソン社で製造されたものというが、詳細な説明はない。  
 
   
展示写真の中に、転車台に乗っている「センチネル」という珍しい蒸気機関車があった。チェーンで車輪を駆動する構造のようだが、どの程度の牽引力があったのだろうか。(センチネルはインドのデリー博物館のページでも紹介している) 博物館の入場券。この訪問時(2004年7月)の入場料は10エジプトポンドだった。
 
     
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