ドイツ レスニッツグルント鉄道(ラーデボイル〜ラーデブルク)
ドイツ東部のドレスデン周辺には、軌間750mmのナローゲージ路線が何箇所かある。いずれもザクセン州営鉄道の頃に開業したもので、経営を変えながら現在も蒸気機関車が運転されている。
ザクセン州の州都ドレスデンは、市内をエルベ川が流れるバロック芸術の都で、ツヴィンガー宮殿、オペラ座、聖母教会など見どころが多いが、第二次大戦中の空襲で瓦礫と化した建造物を復元したものであるとは信じ難い。
ドレスデン中央駅(1999年7月)
 
<ラーデボイル鉄道案内パンフレット/1998年をもとに加工>
 
     
 
市内北西部のラーデボイル・オスト駅(オストはドイツ語で東)がこの鉄道の起点で、延長16.5km、1884年9月に開業した。
ドレスデン市内電車の路線網と重なっているため、平面交差する場所があり、この鉄道の名所になっている。
赤茶色の建屋は、この鉄道のヴァイセスロス駅
  路面電車や車が行き交う道路であるが、
蒸気機関車が牽く列車が来る時には、踏切遮断機が降りて通過を待つ。
ラーデボイル・オスト駅行きの列車が通過している。
(ここまで1999年7月撮影)
 
     
 
     
初めてこの鉄道を訪ねたのは1991年4月、ベルリンの壁が崩され東西ドイツが合体してから、まだ1年足らずの頃だった。
ラーデボイル・オスト駅で発車を待つ列車の先頭に立つのは、先輪1軸、動輪5軸、従輪1軸の、ザクセン州ナローゲージ鉄道の標準形機関車。
  99 1790号機が牽く列車に乗って、終点のラーデブルク駅まで往復した。女性の車掌が乗務していた。
機関車や客車の表示は、まだ東独時代のDR(Deutsche Reichsbahn) のまま。
99 1790号は東独時代の1955年製で、配置当初は99 790号だったが、1970年の番号整理で1790号となった。
 
     
道路に沿った区間を、蒸気機関車が牽く列車が走って来た。   ラーデボイル・オスト駅の構内は広く、色々な車両が留置・保管されていた。(ここまで1991年4月撮影)
 
     
ラーデボイル・オスト駅を出た列車は、暫くの間ドレスデンの市街地を走るが、住宅の塀に沿って走る風景も見られる。
(1999年7月)
  終点ラーデブルク駅の車庫には、緑色の132号機が保管されていた。この機関車はザクセン州営鉄道当時の色と番号に復元されているが、メイヤー式の保存機関車で、イベント列車運転時に使用されていた。(2000年11月)
2006年10月シェーンハイデ鉄道の特別運転時に、応援で活躍していた。
 
     
この鉄道の機関車    
戦前の統一ドイツ国鉄から東独国鉄時代まで、ナローゲージの機関車の形式表示は全て99型で、その次の番号で形式を区別していた。   1955年製の99 1790号機は、1970年以前の東独国鉄の形式表示では99.77〜79型で、シリンダー径450mm、重量58t、565馬力、最高運転速度30km/h。(1991年4月)
 
     
2000年11月にこの鉄道を訪ねた時、ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)が運営していた。DBは西ドイツ連邦鉄道時代から、ナローゲージの機関車の形式表示を全て099型とし、その次の番号で形式を区別していた。   東独国鉄から引き継いだ機関車も1992年から099型としたが、番号の方は現存機関車に順番に付番したため、この099 742号機のオリジナルの番号がわからなくなった。
元99.77〜79型であることは間違いない。
 
 
 
     
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