ドイツ シェーンハイデ保存鉄道
ドイツ東部ザクセン州シェーンハイデという所にあるナローゲージ(軌間750mm)保存鉄道で、ザクソンマイヤー型という特殊な構造の小型蒸気機関車が運転されていることを知り、2006年10月22日に訪ねてみた。
事前にインターネットで得た情報では、運転区間は3.8kmで片道所要20分程度、日に8往復運転されているとのことだった。

ツヴィッカウのホテルからレンタカーで出発、ホームページに掲載されていた地図が判りにくかったが何とか1番列車が出る10時より前に踏切に辿り着いた。大勢のファンがカメラを構えている。まだ時間が早いだろうと思ったら、遠くで汽笛が聞こえて林の向こうで煙が上がっていた。とにかくカメラを用意して待っていると、重連のマイヤーが客車を牽いて目の前を通過して行った。特別運転の一日が始まった。 
 
     
運転区間の中間にあるノイハイデという駅に行ってみると、ちょうど列車が到着するところだったが、反対方向からも列車が駅に進入しようとしていた。撮影の後、近くにいたドイツ人らしいマニアに聞いてみると、今日は特別運転で30分毎に両端の駅を発車した列車が、すべてこの駅で交換するとのことだった。   確かに出発前に他のホームページを調べていた時に、「ザクセン州ナローゲージ蒸気機関車125周年記念行事」として、各地の保存鉄道で順番に特別運転が計画されていて、このシェーンハイデが10月21/22日に指定されているという情報があったが、この鉄道のホームページには何も記載されていなかった。
 
     
保存鉄道起点のシェーンハイデ駅に行ってみると、機関区があった。30分ヘッドの運転が小休止する昼の時間で、4輌のマイヤーが勢ぞろいしていた。この鉄道では99 516、582、585の3輌のマイヤーを保存しているが、この日運転されていたのは516、561と、元ザクセン鉄道時代の表記で132号の3輌だった。   ドイツの蒸気機関車の番号は最初の2桁で形式を表現しているが、戦前の統一ドイツ時代にナローゲージはすべて99とし、その次の番号で形式を区別していた。マイヤーは500番台から608号まで。この日は特別運転のため、561号がデルニッツ鉄道、132号がレスニッツグルント鉄道から応援で駆けつけて来ていた。
 
     
 
緑色の旧ザクセン鉄道132号は、統一ドイツ鉄道では99-539だった機関車。普段はドレスデンに近いレスニッツグルント鉄道で保存されている。   この保存鉄道は、もともと19世紀末頃に40km以上の区間で開業し1977年に廃止された鉄道の一部を、1991年に復活して運転しているもの。
     
マイヤー式という構造は、シリンダーから出るメインロッドが、前2軸は前方向、後2軸は後方向に伸びて動輪を駆動しているところが特徴である。   昼休み時間が終わり、終点に向けてシェーンハイデ駅を出て行く列車の先頭は、2輌の機関車が牽引していた。黒い機関車の煙突の辺りに終点の駅がある。
 
     
 
この保存鉄道は運転区間は短いが、牧草地、森の中、鉄橋、見晴らしの良い場所など、撮影地としては変化に富んでいる。転車台がなく、シェーンハイデ方向に機関車は前を向いていた。   この日は西の空が赤く染まる頃まで運転は続き、ヘッドライト3灯を燈した機関車が、最後の列車を牽いてシェーンハイデに到着したのは午後6時過ぎだった。
     
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