ドイツ フィヒテルベルク鉄道(その2)
クランツァール〜オーバーヴィーゼンタール)
ザクセン州フィヒテルベルク山麓のクランツァールからオーバーヴィーゼンタールまで、延長17.3kmを結ぶナローゲージ鉄道がフィヒテルべルク鉄道で、軌間はザクセン州の他のナローゲージ鉄道と同じ750mm。終点に向けてほぼ上り勾配が続く路線で、最急勾配は33パーミルある。
2010年2月に再びこの鉄道を訪ねた。厳冬で連日最高気温がマイナス4度程度しかなかったが、パウダースノーの中を勇壮な走行風景を見ることが出来た。
 
<フィヒテルベルク鉄道の絵葉書>
終点のオーバーヴィーゼンタール駅の手前に大きな鉄橋がある。この橋を渡り終えると駅構内に入るが、その直前まで上り勾配が続くため、機関車は絶気することなく列車を牽いて橋を渡ってくる。    
     
 
クランツァールを10時10分に出た列車が右手に街並みを見下ろしながら勾配を登って行く。牧場の横を通るところで鹿が列車の通過を見ていた。
15時10分発の列車を待つ頃には薄陽が射していた。
  ほぼ中間地点にあるクレッチャム・ローテンゼーマ駅を出ると線路は右にカーブを続け、180度方向を変えて勾配を登って行く。7両の編成を牽く99 771号機が、喘ぎながら通過して行った。ここは沿線の難所のひとつ。
 
     
終点のオーバーヴィーゼンタールの周辺はスキーリゾートで、別荘らしき住宅が並んでいる。歩道の跨線橋から列車の通過を見下ろすことが出来た。   列車はこの先で大鉄橋を通過して終着駅に進入するが、連続した上り勾配を歯切れのよいブラスト音を響かせながら通過して行った。
 
     
 
オーバーヴィーゼンタールに到着した機関車は、水を補給し点検を受ける。石炭が少なくなるとベルトコンベアーを使って給炭して、次の列車に備える。
ドイツの機関車はヘッドライトが3灯あるのが特徴。
  雪の中を走り続けた機関車の動輪周りには、びっしりと雪が付着していた。

キャブの中で焚き口扉が開くと、炎が温かく感じられた。
     
 
     
この訪問から2日後、別の保存鉄道であるプレスニッツタール鉄道の蒸機運転を見た後に、夕方5時頃クランツァールを折り返す列車を見ようとクランツァール駅に来て、ホームで到着を待っていた。すると紫色のディーゼル機関車が牽いてきた。
乗務員に聞いてみると、蒸機の1輌が故障したため代わりに牽いて来たとのことだった。この鉄道でディーゼル機関車が列車を牽く姿を初めて見た。
ルーマニア(Malaxa/1985年)製のL45H-083号機だった。
 
     
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