シリアの鉄道には、1050mmという特殊な軌間と1435mmの標準軌とがある。狭軌の方は首都ダマスカスから南へ延びて隣国ヨルダンへ続くかつてのヒジャーズ鉄道と、ダマスカスから西へ山地に入りレバノンと の国境までの路線がある。南の方へは週1往復の国際旅客列車がヨルダンのアンマンまで運転されていた。
ダマスカス市内の駅は頭端式ホームで、通称ヒジャーズ駅と呼ばれている。ここから南へ3km程離れた街はずれにカデムという駅があり、標準軌の路線はここを起点として北部へ延びている。ここカダムに機関区と整備工場がある。
1993年1月に訪ねた時、263号機(独Hartman社1918年製)が比較的良い状態で保管されていた。
敷地内のトラバーサー(車輌を横に移動する設備)の周りには朽ち果てそうな機関車が並んでいた。

カダムの機関区と整備工場は、その後ヒジャーズ鉄道博物館として整備された。
 
     
  カダムから南に120km程行くとダラアという駅がある。線路はこの先ヨルダン国境を越えてアンマンへと続いている。
ヒジャーズ鉄道の時代に、デラアから西に分かれる支線があり、ヤルムーク川の渓谷に沿って聖書にも出てくるガラリア湖の近くを通り、現在のイスラエル北部の港町ハイファへと続いていた。

ダラアの駅構内には、2輌の機関車が放置されていた。
いずれも保存状態は良くなかったが、その後シリアでは観光客向けに機関車を整備し直して特別運転を行なうようになったため、この機関車達はダマスカスのヒジャーズ鉄道博物館に移送・展示され、一部は動態保存されている。
     
 
ドイツのアーノルト・ユンク社製 66号機。石炭と水を機関車に搭載するタンク式機関車のように見えるが、炭水車を連結した珍しい形。   ドイツのボルジッヒ社製 160号機。この機関車も整備され一時は動態保存されていた。
 
     
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シリア カダム機関区とダラア駅