2014年2月に、カイロ中央駅に相当するラムセス駅に行ってみた。この駅舎の一部が鉄道博物館になっているので、そこへ行くのが目的だったが、博物館は改装工事中で中に入ることが出来なかった。ところが、駅前広場の中央部に蒸機が静態保存されていた。
10年前に博物館を訪ねた時、博物館の一部のように建物の外に屋根をかけた下に展示されていた986号機だった。
当時は駅前のスペースは駐車場になっていて、多くの車が止まっていたが、現在は広場として整備されていて、そこに展示されているので、周囲のどの方向からも撮影しやすい状態になっている。
駅舎は当時と変わらないが、ブルーの塗装を一部に入れてあった。
 
 
     
以前は986号機の説明が無かったため詳細が分からなかったが、今回は台座のプレートに説明があった。それによると、1865年に英国のロバート・スチーブンソンによって製造されたという。 ロバート・スチーブンソンは、蒸気機関車を発明したジョージ・スチーブンソンの息子である。   この機関車の全長は15.4m、機関車重量37t、テンダー重量27t、最高速度30km/hとのこと。エジプトの鉄道は1854年に開業しているから、その11年後に導入された車輛ということになる。日本の明治維新より前だった。
 
 
     
展示車輛を支えているレールは、上下どちらも使用できる双頭レールだった。日本の鉄道創業時にも使われていた形のレールだが、固定方法が難しく現在の形のレールに置き換わっていった。日本では今でも駅のホームの屋根を支える支柱等に、この双頭レールが使われている場所があって、マニアの間では話題になっている。   普通の蒸機には前方両側に動輪を動かすシリンダーとロッドが見えるが、この986号機にはそれが無い。前方下から見上げてみると台枠の内側両サイドにシリンダーがあり、第2動輪をクランクで回す構造になっていた。1本の車軸で両側の動輪を固定できない複雑な構造になるが、ドイツの大型蒸機で3シリンダー式のものにも車軸の中央にクランクがあるのだ。
 
     
駅のコンコースは、以前に比べると見違えるほど立派な内装に改築されていたが、その中に駅全体のミニチュアが展示されていた。駅前広場の986号機の辺りに模型の機関車が置いてあったが、その他にもう1ヵ所模型が置いてあった。   外に出てみて模型が置いてあった場所へ行って見ると、静態保存予定地のようにフェンスで囲んだ一角があった。ここに将来蒸機を展示するのだろうか。しかしエジプトのどこかに展示できるような状態の蒸機があるのだろうか。
 
     
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カイロ ラムセス駅前の986号機