イギリス ミッドハンツ鉄道
ミッドハンツ鉄道ウォータークレス線は、ロンドンの西南西約70kmの場所にある保存鉄道で、2007年8月3日に訪れた。
この日は早朝にヒースロー空港に到着したが、連絡バスに乗ってウォーキングという駅で列車に乗り継ぎ、オルトン駅まで約1時間半強で到着した。
ここがウォータークレス線の起点で、10時50分発の1番列車まで時間があったので駅の周辺に撮影場所がないか歩いてみたが、線路が高い所にあって近づけず、あきらめて切符を買ってホームに戻ると、黒い機関車がバック運転で近づいてきた。
大型のパシフィック34007号機で(先輪2軸、動輪3軸、従輪1軸の設計は世界中どこでも急行旅客用の花形機と決まっていて、この軸配列をパシフィックと呼ぶ)、ボイラが見えないようカバーで覆われている。写真でしか見たことのなかったカマが、目の前を移動し、ホームに止まっていた客車に連結した。
 
     
この外観は、蒸気機関車のイメージからかけ離れている。    
 
     
オルトンから16km、約30分の乗車で終点のアレスフォード駅に到着した。この駅の跨線橋は、別の鉄道で廃止になったものを移設したという古風なデザイン。   到着した34007号機は、奥の留置線から別の客車を牽いてホームに入ってきた。逆向きの牽引で折り返し列車となる。
到着した客車はディーゼル機関車が奥へ押し込んでいた。
 
     
アレスフォードから一駅戻ったロプリィ駅には、機関車の整備施設があって多数の機関車が止めてあった。   35005号機も大型のパシフィック。この日は火が入っていなかったが、交替で列車を牽いているらしい。
 
     
この日は2輌の機関車で6往復の列車が運転されていたが、ロプリィでもうひとつの機関車が牽く列車を待っていると、流線形の60019号機が逆向きで牽いてきた。蒸気機関車の世界最高速度記録を出した「マラード」号と同じA4型。この鉄道で整備を終えて復活したばかりの姿だった。
同型機はセヴァン・ヴァレイ鉄道でも保存運転されていた。
  現在復活保存されている区間を含むミッドハンツ鉄道は、1865年に開業した。1948年から英国国鉄(BR)が運営していたが1973年には廃止された。保存の動きはすぐに始まり、1977年に終点のアレスフォード〜ロプリィ間が運転を始め、1985年にはオルトンまで延びて営業線と接続した。
アレスフォード駅
 
     
午後1時過ぎに、2輌の機関車がいずれも前向きで牽引する列車が相次いで通過するため、撮影場所を探したが、生垣や用地立ち入り防止柵が徹底していて、なかなか線路に近づける場所がなかった。   駅から30分ほど歩いてやっと見つけた場所で待っていると、まず34007号機が列車を軽々と牽いて駆け抜けていった。60分の1(16.7パーミル)の下り勾配だ。
暫くして60019号機が5輌の客車を牽いて登ってきた。
 
     
車窓から見ると開けた場所もあったが、この畑に立ち入って線路に近づけるかどうかは分からない。   乗車券は片道6ポンド、1日乗り放題券が10ポンドだった。
メッドステッド&フォーマークス駅の駅舎。
 
     
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