エジプト ナイルデルタの軽便鉄道(その1)
ツートンカラーの単端式気動車
エジプト北部のナイルデルタ地帯には田園風景が広がっている。かつてここには住民の足としてメーターゲージの軽便鉄道が網の目のように敷かれていて、バラエティーに富んだ車輌が走っていたが、道路が整備されるに連れて次々に廃止されていった。
北東部のマンスーラを起点とする最後の区間は1992年に廃止されたが、その1年余り前から何度か足を運んで、列車が走る風景を記録することができた。その一部をシリーズで紹介する。

今回は、赤とクリームのツートンカラー、正面2枚窓の単端式気動車74号と83号。運転室が片側にしかないので単端式といい、折り返し運転する駅では方向転換が必要だ。
 
    <左上がマンスーラの町で人口数十万人規模の大都会
      右下の運河に沿って軽便の線路が延びている>
 
ゴダイエデ駅に進入する74号。2軸の客車を牽いている(1991年9月)
サダカ駅で方向転換した74号の後ろ姿(1991年11月)
  サダカ駅で発車を待つ83号。正面は衝突事故で変形したままらしい。
同じ日の83号の後ろ姿(1991年9月)
 
     
道路と並行する区間に枝振りの良い木が立っていた。74号が客車を1輌牽いて走ってきた。(1991年11月)   ナイルデルタ地域には灌漑用の運河が整備されている。水面に姿を映す74号。(1991年10月)
 
     
屋根の上に干草を載せた農家の横を走る74号(1991年11月)   この日は屋根の上にまで客が乗っていた(1991年9月)
 
     
 
マンスーラ車輌基地で運転士や関係者が74号の前に並んで記念撮影。右に見える丸窓の気動車は次回紹介する。
マンスーラ基地の転車台。人力で廻す。74号の左に少し見える緑色の車輌はディーゼル機関車。(1991年9月)
  運転室にはハンドブレーキの丸ハンドルと、シフトレバー、そしてアクセルとクラッチペダル。
客室内には床上までとび出たエンジンのカバーが真ん中にあった。立っているのは運転士のサラーマ。(1991年9月)
 
     
サダカ駅の転車台で方向転換中。この後、左手に止まっている2軸客車を連結してマンスーラに戻る。(1991年11月)   ティマイエという駅に到着した列車。ナイルデルタの村の風景だ。(1991年11月)
 
     
83号に牽かれる客車には乗客があふれていた(1990年7月)   74号に牽かれる木造2軸客車(1991年9月)
 
     
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