エジプト南部の砂糖キビ鉄道(その2)
エドフ工場専用線
  エジプト南部の砂糖キビ運搬鉄道の第2弾は、エドフ製糖工場の専用線。
ナイル川の上流、カイロからは南の方向になるが、古代王朝時代の神殿やツタンカーメン王の墓などで有名なルクソールと、神殿やアスワンダムなどで有名なアスワンとの間は、200kmぐらいの距離がある。そのちょうど中間辺りにホルス神殿というこれも巨大で保存状態の良い神殿のある街がエドフ。
ここに製糖工場があり、砂糖キビ運搬鉄道のネットワークがある。ゲージはやはり2フィート(610mm)だが、(その1)で紹介したクス工場の車輌とは全く違う色と形のディーゼル機関車が活躍していた。
1991年3月〜4月に訪問した時の風景を紹介する。
     
明るいブルーの塗色でカマボコ形屋根の運転室。この専用線の機関車は全てこの形式で統一されていた。ナツメヤシの木が並ぶ姿がエジプト南部の雰囲気を表している。   ロッドで連結された動輪は3軸、運転室の下にある第4の軸をジャック軸と呼び、ここにエンジンからの回転が伝達され、ロッドで動輪を回転させる構造になっている。運転室に白文字で書かれた車輌番号は、アラビア文字で21のこと。
 
     
線路網の随所に側線や支線があって、ここに止められた貨車に砂糖キビを積み込んでいく。肩に担いだ砂糖キビをはしごで昇って積み上げているところ。過積載というぐらいに高く積んでいる。   積み込みの終わった貨車を次々に連結して編成を長くしながら、列車は製糖工場の方に向かって走って行く。この写真の地点では既に充分長くなっていたので、貨車を連結しないで通過して行った。
 
     
 
砂糖キビを積んだ貨車の台車。小さな車輪2軸で上下左右に動く台車が、曲がりくねったレールに良く追随して脱線しないで転がっていくのだ。
貨車の中には別の構造の台車を履いたものもあった。
  村と村を結ぶ道路に沿って線路が敷かれている区間。

所々で運河を渡る橋梁は、住民にとっても便利な通路になっているようだ。少女がロバに乗って渡っていた。
 
     
 
2輌の機関車が休んでいた
支線に止めて積み込みの終わった貨車を牽いて機関車が接近してきた。手前の分岐を渡って右の貨車の前に連結するのだろう。
  積み込みの終わった貨車の前でポーズをとる男の子

この機関車はワイヤーロープで貨車を牽きながら入換作業をしている
 
     
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